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時代の象徴“赤プリ”、55年の歴史に幕

2011年4月11日
編集部
グランドプリンスホテル赤坂
グランドプリンスホテル赤坂

 「赤プリ」の愛称で親しまれたグランドプリンスホテル赤坂(東京都千代田区)は3月31日、同ホテルで閉館セレモニーを行い、55年という長い歴史に幕を下ろした。

 同ホテルは1955年に客室31室、宴会場2室で開業。60年に現在の別館、83年に新館をオープンした。土地柄、政界や財界にも多用され、まさに時代を象徴するホテルとなったが、建物の老朽化を理由に閉館を決めた。なお、閉館後から建物取り壊しまでの3カ月間は、東京都の主導により東日本太平洋沖地震の被災者の受入れを行う。

 松下学総支配人は「一般のお客様から政治、文化、芸能など、幅広い分野でご利用いただき、結婚式は1万組を超えた。多くの方から閉館を惜しむ声をいただき、このホテルはお客様に育ててもらったのだと切に実感している」とこれまでの感謝を述べた。また、4月からの被災者受入れについて、「最後に、被災された方の受入れという形で、皆様のお役に立てるのは、皆様に支えられたこのホテルにとっては何よりのご奉公」と語った。

最後のお見送りをするスタッフ一同
最後のお見送りをするスタッフ一同

 セレモニーでは、アメリカ在住で今回の閉館に伴い訪れた最後の宿泊客が、同ホテルへの思いを述べた。「日本に帰国したときはいつも赤プリに泊まらせてもらった。初めて来たときは、乳飲み子を抱えていたが、そんな娘ももう22歳になりました。恐れ多いですが、日本での思い出、子供の成長はこのホテルとともにありました。感謝しても感謝しきれないです」。感謝の意を込め、松下総支配人から花束が贈られ、10年8月よりホテル利用者から募集していた、同ホテルでの思い出をつづった「赤プリメッセージ」を入れたボックスに鍵が掛けられた。

 セレモニー後には、ホテルスタッフ一同がホテル玄関に集合し、最後の宿泊客へ最後のお見送りを行った。

 懇意のホテルスタッフは宿泊客より声を掛けられ目を真っ赤にしながら、最後のお勤めを遂行。スタッフ全員が、それぞれの思い出と感謝を胸に、送迎のタクシーが見えなくなるまで、深々と頭を下げた。

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