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障がい者も高齢者も旅をあきらめない、UTの全国組織が誕生

2011年2月1日
編集部
「日本ユニバーサルツーリズム推進ネットワーク」の設立総会
「日本ユニバーサルツーリズム推進ネットワーク」の設立総会

 全国各地で障がいのある人やお年寄りなど、さまざまな介助が必要な人の旅行をサポートし、介護する家族も一緒に楽しめる旅を推進するNPO団体の代表者らが1月27日、兵庫県神戸市に集まり全国組織の「日本ユニバーサルツーリズム推進ネットワーク」を設立した。

 発着地相互の連携を強化し、ノウハウを共有化してサポート体制のレベルを向上させ、ユニバーサルツーリズム(UT)の活動を全国に拡大して、多くの人が旅を楽しめる環境づくりを目指す。

 参画したのは北海道から沖縄まで7道県13団体の代表者らで、同日11人が出席して設立総会を開催。設立趣意書を確認し、定款、事業計画、収支予算を決定。6人の理事と監事1人の役員を選出した。

 理事長には発起人代表のNPO法人ウイズアス (鞍本長利代表、兵庫県神戸市)が選ばれた。ウイズアスは6年前から行政、観光・交通事業者、福祉団体、大学などと連携して神戸ユニバーサルツーリズムを実践。現地でのサポート体制を整え、発地からの介助者同行の経費負担を削減して、気軽に神戸観光が楽しめるようにした。

 滞在中のケアを障がい者や高齢者を持つ家族などと打ち合わせ、宿泊施設へ情報提供や必要に応じた入浴、食事の介助人派遣、観光時のリフト付タクシーなどの手配、車イス、吸引器などのレンタル、緊急時の医療サービス、コンシェルジュ、手話通訳などさまざまなサポートを行っている。

 昨年10月には情報発信や旅行案内、どこでも車イスレンタルなどの業務を1カ所で提供する「神戸ユニバーサルツーリズムセンター」を神戸市内に開設。全国各地のNPOとも連携した活動も積極的に進めている。

 昨年12月7日には長年のUT推進に尽力した功績が認められ、内閣府の2010年度バリアフリー・ユニバーサルデザイン推進功労者表彰で、内閣府特命担当大臣表彰優良賞を受賞している。

 鞍本さんは「現在の参加会員地域は7道県だが、ノウハウの共有で互いにレベルアップできる。土佐清水や大阪、西明石、仙台などにもNPO設立の動きがあり、連携でさらに充実するだろう」と話す。

 ネットワークは5月ごろにNPO法人格を取得する見込みで、夏に神戸で推進フォーラムを開催予定。行政や観光業者、福祉・医療関係者を対象のUTやホスピタイティの研修会などの事業を計画する。情報誌の発行やホームページ開設も予定する。

 なお、事務所は神戸市中央区波止場町の神戸UT内に設置する。会員は個人とし入会、年会費それぞれ1万円。賛助会員は個人が入会、年会費3千円、法人が同1万円。

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