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多摩大・望月ゼミ/珍しいディベート授業

2010年7月11日
編集部

『理論構築力を競う「D―1」、今後の海外DCは? 「アフリカVS南米」』

 多摩大学経営情報学部の望月照彦教授のゼミナールは、日本の大学では珍しく、ビジネスディベートを授業に取り入れている。今回は、2つのチームに分かれ、課題に対して自分たちが支持する方の研究・分析を行い、テーマへの知力や理論構築力の優秀を競い合う「D―1」(闘論)を開いた。

 6月9日の授業では3年生がディベートを行った。課題内容は、今後10年間の海外旅行の重要デスティネーションにすべきなのは「アフリカか、南アメリカか」。A・B両チームが、それぞれの地域の比較優位な魅力や売りなどを論じ合った。

 企業メンバーの構成は大将1人、参謀2人、兵士2人、豪傑1人の計6人。また、レフリーを1人立てている。ディベートは、第1ラウンドで大将が地域の優位性を10分ずつ論述。第2ラウンドのクロスインパクト・ディベート20分間は、自己の優位点のアピールや相手の論理の弱点などを攻め合う。2つのラウンドを踏まえて、チーム内で考え方や論述の構成を補強する会議を10分間行い、最終論述として第3ラウンドで、自己の優位性を5分間で論じる。

 南アメリカチームは、「有名観光地以外の市場開拓」をテーマに、植民地だったことを生かして「南米のヨーロッパ」などを売りに、魅力をアピール。自然や温泉なども盛り込んで紹介した。「世界遺産以外は、注目されにくいが、実は穴場スポットが多い。旅行代金は相場で50―100万円と高いが、値段に見合う価値がある」とまとめた。

 一方、アフリカチームは、日本人に元気や活力を取り戻させるには圧倒的な大自然が必要だと定義。そのうえで、日本で知られていない地域を紹介し、またその文化のなかで息づいている「音楽」を軸にプレゼンテーション。「日本を救う活力になる」とすべての音楽の起源であるアフリカで、大自然と伝統音楽を楽しむツアーを提案した。

 これらに対し、両者はお互いの弱点を突いて質問し、また、質問したことを逆に優位性として自己アピールするなどの論法で攻め合った。

 ディベート終了後、望月教授は「20分間に、これからの観光産業の重点が5つあがった。もちろん結論はでなかったが、これだけのポイントが議論され、とてもいいディベートだった。新しい旅のデザインの提案がでればもっとよかった」と評価した。また、「観光は光を観るというが、これからは影も観なければならない。闇の部分をどう解決するかが重要な問題になる」と今後の観光についてのポイントをいくつか語った。

 最後に「『旅とは何か』をもう一度考える時代がきた。皆さんの年代の旅行者が減少しているが、ぜひ世界的なトラベラーになってほしい」と学生に呼び掛けた。

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