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会員のエコ事例を紹介、地域全体のイメージアップにも(日観連セミナー)

2010年4月1日
編集部

 日本観光旅館連盟は2月23日、東京国際ビッグサイトで開かれた国際ホテルレストランショーで、「『地球に優しい宿を目指して』~全国の実践事例と可能性~」と題し、セミナーを行った。日観連会員の旅館・ホテルの代表者4人が実践的事例を紹介した。

 基調講演は、旅行ジャーナリストで前旅行読売編集長の沓掛博光氏が登壇。沓掛氏は「宿は観光のメインステージ。1軒の宿のイメージが温泉地全体のイメージにつながる。エコは1軒の宿に留まらず、地域全体で取り組むことでエコ本来の目的に加え、地域の活性化と経済効果にも貢献する。日常的に取り組むことが大事」とアドバイスした。

 事例報告をしたのは、那須高原の宿山水閣(栃木県・那須温泉)の片岡孝夫社長、歴史の宿金具屋(長野県・渋温泉)の西山平四郎(八代目)代表取締役社長、ビレッジ美合館(香川県・美合温泉)の依斐恵美子常務、伴久ホテル(栃木県・湯西川温泉)の伴久一代表取締役社長。

 山水閣の片岡社長は、自館で取り組む木質ペレットボイラーの導入効果を紹介。取り組むきっかけとなったのは1988年、那須地域を襲った大水害の被害。異常気象は、地球温暖化などの影響が大きいと考え、地元の宿泊業者などが集まり、那須温泉地球温暖化対策地域協議会を設立。温泉排熱を利用した、石油代替エネルギーなどのスキームを柱に勉強会を開いている。

 そこでの知識を元に片岡社長は、自館に木質ペレットボイラーを導入。CO2換算で月4万トン、コスト換算で月45万円削減の導入効果があったという。また、CO2排出量を取引する、国内クレジット制度の活用で年間90万円の利益にもつながった。

 片岡社長は「導入するコスト回収が1番のテーマ。パートナー企業の重要性が大きい」と語った。パートナー企業として選んだのは温泉熱の効果的な利用を目指す、ネクスパ(東京都港区)。専門知識を持つ企業の協力で4千万円以上かかった導入費用の約半分は補助金の認定を受けた。「これがなければ踏み切れなかったが、結果的に導入してよかった。年間5―600万円のコスト削減を達成。3年6カ月ぐらいで投資回収できる見込み。地球環境に優しいは、お財布にも優しい」と語った。

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