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業界初の直販支援、国内の市場拡大はかる(HIS)

2017年8月17日
編集部

 エイチ・アイ・エス(HIS)は9月から、業界初となる宿泊施設向けの直販支援サービスを始める。宿泊施設の直販を支援するエス・ワイ・エス(SYS)と資本業務提携を行う。SYSは外資系も含めたOTA(オンライン旅行会社)を介さず、客が自社サイトにシフトするシステムを展開。直販による宿泊施設の利益を向上させ、国内市場の拡大を目指す。

 SYSは独自のダイレクト・リザベーション・システム(DRS)で、初回はトラベルコなどのメタサーチから施設の自社サイトに接続させる。OTAへの在庫出し費用と比べ、廉価な手数料で自社サイトまで誘導できる。客が2回目以降に施設を検索するとき、すでに施設の自社サイトを認知した分、直販に至る可能性が高まるという考え方。

 今後はHISが展開してきた国内宿泊施設向けOTA 事業を、SYSの直販支援事業に転換。互いに独立・中立的な経営体制を維持しつつも、国内宿泊施設の活性化を推進していく。

 外資系OTAの参入も激化し、宿泊業界では日本特有の商習慣を変える動きが出ている。旅行会社が顧客の予約前に、部屋を複数確保する「ブロック」などは変える必要があるとの声も多い。観光庁はブロック時に、前受金を一部支払わせるデポジット機能導入を検討し始めている。

 HISは昨今の変化を新たな事業機会と捉えている。サービスを普及させていくためには、宿泊業界に残る問題を払拭できるかが課題となる。

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