大田区でアート民泊、「民泊の良さ取り入れて」、専用アートマンション誕生

  • 2017-8-17

黒田史郎社長

 国家戦略特区として、民泊が法律で認められている東京都大田区に今年6月、グローバルレベルのアートが身近で楽しめる民泊専用のアートマンション「THE AOCA(アオカ)― Apartment of Contemporary Art, Tokyo」が誕生した。アートミュージアムさながらの宿泊施設では、全17室のゲストルームや、外壁、エントランスなど、さまざまな部分にアートが施され、宿泊者は、世界各国で活躍するクリエイターたちの作品に触れることができる。

 同施設の建設に携わったのは、顧客の価値観の多様性に特化した事業推進を行う不動産ディベロッパーのベストウェイ(黒田史郎社長、東京都目黒区)。同社は、本プロジェクトを皮切りに、2018年1月には東京都文京区と世田谷区に同様物件の建設を予定する。

 同施設は最寄駅のJR京浜東北線・大森駅から徒歩約7分の場所に位置している。主要観光地である東京ディズニーリゾートへも30分程度で行けるため、交通アクセスの良さが1つの売りとなっている。

壁一面にアートが施されている

 5階建ての建物でゲストルームの広さは、ワンルーム各戸25平方メートル。17部屋のうち3部屋はコネクティングルームとなっており、大人数での宿泊も可能となっている。写真映えする室内アートは、ロサンゼルスを代表するグラフィティライター・オージースリック氏らによって手掛けられ、全室異なるペイントが施されている。消防機能も旅館・ホテルと同等になっており、賃貸物件としての利用も可能だ。

 ベストウェイ社長の黒田史郎氏に、同施設建設までの過程や民泊に対する考え方などについて聞いた。

【松本 彩】

■  □

 ――同施設を建設するにあたり、近隣住民に対しどのように理解を求めましたか。

 反対意見などは一切ありませんでした。近隣住民の方々は比較的寛容で、アオカの誕生を楽しみにしてくれていました。建設場所によっては、このような民泊専用物件だけではなく、マンションを建てるというだけで反対されることもありますが、この物件に関しては、クレームなどもなく非常にやりやすかったです。

 ――訪日外国人を主なターゲットとして建設されたのですか。

 今、民泊=エアビーアンドビーと考える人が多く、その利用者の多くは訪日外国人です。日本人の旅行者にも積極的に利用してほしいですが、現時点では、訪日外国人がターゲットです。

 ――今後、同施設の情報をどのように発信していきますか。

 現在ホームページのほかに、フェイスブックとインスタグラムを活用した情報発信を行っています。とくにインスタグラムは、スタッフが撮影した昭和情緒の残る、大森のまち並み写真を投稿し、徐々にフォロワー数を確保しています。今後の情報発信のスタンスとしては、宣伝というよりも、大森のまち並みを紹介する写真を投稿し、その投稿から、自然とアオカに興味を持ってもらえるようにできればと思っています。

 ――2020年に向けての民泊サービスのあり方について。

 民泊サービスを行っていると、やはりホテルの方がいい面も沢山あります。私は以前から言い続けているのですが、ホテル業が民泊サービスを行うのが1番いいのではないかと思っています。

 民泊の良いところは、大人数でもファミリーでも1部屋に泊まることができるという点です。ホテルだと例えば5人家族の場合2部屋に分かれてしまうことがほとんどで、子供が小さい場合はそれが苦痛になってしまいがちです。

 民泊では3LDKなどの部屋に、家族そろってゆっくりと滞在することができる。そのような面から民泊の人気は高まったのだと思います。ホテル業の人たちは、民泊を毛嫌いするのではなく、ホテルにはない民泊の良さを上手く取り入れた、新たな宿泊サービスを展開してほしいと思っています。

 やはり「民泊」という言葉ばかりが先行してしまい、根柢にある〝宿泊を楽しむ〟という部分が抜けてしまっているように感じます。民泊サービスは、多くの人を受け入れ、日本の経済を活性化させることのできる重要なコンテンツだと思います。そのためにも、日本の中だけで民泊の良し悪しを議論をするのではなく、世界から見たときに、どのように民泊を活用したら、今以上に日本への誘客をはかれるかを考えることが重要なのではないかと考えています。

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