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【山と渓谷社 広告部 斉藤克己氏に聞く】「山の日」2年目、山を観光資源に

山と渓谷社 広告部
斉藤克己氏

 「山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する」ことを趣旨に、国民の祝日「山の日」は制定された。実施2年目となる今年。「山」を観光につなげる取り組みも加速中だ。

 山と渓谷社(川崎深雪社長)では、山を観光資源として捉え、「トレッキングツーリズム」の提案に注力している。来訪者や登山後の宿泊増加を通じ、地域での消費促進を目指す。インタビューで、同社広告部の斉藤克己氏は「宿泊をともなう登山者による山旅の回数は、年間約3・6回。一般旅行者の3倍以上旅をしている。ヘビーな旅行者でもある登山者に対し、観光スポットやお土産などを積極的にアプローチするべきだ」と力を込める。

 「トレッキングツーリズム」の狙いは(1)地域に訪れる登山者を増やす(2)地域を訪れた登山者に旅行者になってもらう(3)インバウンド対策――の3つ。ビギナー層を取り込むためにも、適切なプロモーションが必要だ。消費増加につながる宿泊については、下山後の過ごし方を提案するなど登山者の行動パターンに基づく施策が効果的だという。

 「富士登山者に占める外国人旅行者の割合は約3割。日本の自然に興味を持つ方も多く、地域の山々での登山者増も十分期待できる」と続ける。昨年、飛騨県事務所(岐阜県)のインバウンド事業に協力。台湾人観光客をターゲットにしたモニター企画を実施し、山麓の観光とグルメ情報を発信した。

 自治体と提携し、登山や自然愛好者向けの移住定住イベントも開催する同社。昨年は、長野県大町市と福島県の自治体担当者による相談会も実施。参加者のほとんどは移住相談会に初めて参加した人たちで、自治体担当者も驚くほど熱心な質問が飛び交った。集客には、同社が運営する登山情報サイト「ヤマケイオンライン」を活用した。

 移住定住は、一時的な滞在である旅行の延長線上に位置するもの。山を軸に据えた誘致活動は、ターゲットを限定する分、期待できる成果も大きい。

 今後も、山岳情報誌ならではのブランド力で、地域への貢献を果たす構えだ。

【謝 谷楓】

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