16年大賞は日本旅行、今年から2つの賞を新設(鉄旅オブザイヤー)

第6回受賞者・関係者ら

 「第6回鉄旅オブザイヤー2016」の表彰式が1月25日、鉄道博物館(埼玉県大宮市)で行われ、過去最多の106作品の応募の中から、グランプリには日本旅行の「赤い風船 観光列車『ながまれ海峡号』に乗ろう」が選ばれた。今年から「DC(デスティネーションキャンペーン)賞」と「ベストアマチュア賞」が新設された。DC賞は、同年のDC開催地を含むツアーに贈られる。

 鉄旅オブザイヤー実行委員会委員長の戸川和良氏(KNT―CTホールディングス社長)は「鉄道旅がますます重要になってきていると実感している」と強調。今年も多彩な観光列車がデビューすることに触れ、「旅行会社としては、いち早く旅行商品に仕上げて全国に広めていきたい」と語った。

 日本旅行は、新幹線開業を契機とした道南エリアのさらなる活性化を目的に、「ながまれ号」を総合プロデュース。旅行会社が企画、販売、車内サービス提供を手がけた非常に珍しい試みだ。道南いさりび鉄道や道南いさりび鉄道応援隊と連携しツアーを造成。同応援隊は、函館市と北斗市、木古内町の沿線自治体有志メンバーで構成され、地域資源の活用や、観光客のもてなしなどの活動を担っている。

 車内では函館市のスイーツを活かした「海鮮スイーツ丼」や、木古内町の地元食材をふんだんに使った創作イタリアンが楽しめるほか、茂辺地駅(北斗市)ではホーム上で海鮮バーベキュー体験も用意。

 同社経営管理部新規事業室鉄道プロジェクトの瀬端浩之マネージャーは「この賞の受賞が、これからの沿線の活力につながっていくと確信している」とコメントした。

 13通の応募のなかから「ベストアマチュア賞」を受賞したのは、会社員の谷正博氏が企画した「寝台特急サンライズ瀬戸&四国まんなか千年物語号で行く四国横断鉄道の旅」。

 香川―徳島―高知間を鉄道で横断しながら、各地の歴史やグルメ、自然が堪能できるツアーだ。「四国まんなか千年物語」の始発駅がある多度津町の出身だったことから、同列車をツアーに組み込んだ。プライベートでも列車旅を楽しむ同氏は「企画できないことが起こるのが旅の魅力」と語った。

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 準グランプリ以下の受賞は以下の通り。

 【準グランプリ】 長崎・雲仙仁田峠ミヤマキリシマと「幸せの黄色い王国」福袋付きカーネーション列車と島原半島7大ご当地グルメ食べ比べ(読売旅行)

 【ルーキー賞】 日本海絶景トレイン「きらきらうえつ号」に乗る 月山・鳥海山3つの絶景遊覧3日間(阪急交通社)

 【DC賞】「プレミアムステージ」中国鉄道コンチェルト〈第1楽章〉~瀬戸内観光列車旅の章~3日間(クラブツーリズム)

 【審査委員特別賞】 貸切新幹線で行く 元気に!九州 鹿児島(西鉄旅行)

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瀬端浩之氏(左)と永山茂氏

グランプリの日本旅行担当者に聞く、二人三脚で新たな価値を創造

 第6回鉄旅オブザイヤー2016」でグランプリに輝いた日本旅行の「赤い風船 観光列車『ながまれ海峡号』に乗ろう」。旅行会社が総合プロデュースを行う「観光列車」の企画意図や、今後どのような可能性を秘めているのかを、同社経営管理部新規事業室鉄道プロジェクトの瀬端浩之マネージャーと日本旅行北海道の永山茂地方創生推進室長に伺った。
【後藤 文昭】

 ――旅行会社が観光列車をプロデュースしようと考えたきっかけは。

 「道南を訪れるお客様に観光列車を楽しんでもらえないか」。この考えが企画をスタートしたきっかけです。道南いさりび鉄道側も観光列車用として新しい塗装を施した「ながまれ号」2両を準備していました。しかし、開業準備が忙しく、観光列車として走らせる作業は手付かずの状況でした。そこで、我われがプロデュースを行うことになりました。

 ――商品化に向けて意識されたことは。

 観光列車として使用した「ながまれ海峡号」には、もともと地域情報発信列車としての役割があるので、沿線3市町の魅力をしっかりと盛り込んでいくことが重要でした。とくに食事については、それぞれの市町の住民の皆さんの自慢の一品、産物を提供しました。漁協関係者など観光に不慣れな方々の協力が得られたことや、観光列車の内装や企画などを手作りしたことで魅力が増しました。

 ――今回の大賞受賞は、今後どういう意義を持ちますか。

 面白い取り組みに踏み出したいが、「集客や満足度の高いサービス、お客様を楽しませるための演出の方法がわからない」と悩み、その先に踏み出せないでいる地方のローカル鉄道会社が多くあると思います。我われは、地方のローカル鉄道会社の皆さんと協同、協力し、「その地域ならではの観光列車」の全国展開ができると考えています。

 ――旅行会社が鉄道会社に提供できることは。

 観光客は、旅先でそれぞれに求めているものがある。そのニーズに応え、またお客様の反応を見極めて次に活かせるノウハウを、旅行会社は長い経験から持っています。

 日本旅行鉄道プロジェクトチームにご連絡いただければ、全国どこでもすぐに駆けつけて、一緒に企画を立案します。

 ――地方鉄道の魅力は。

 「地域の良いところを取り込め、その地域の食や文化など多面的な観光が楽しめる」ところが地方鉄道ならではの魅力です。今回は、道南という海鮮素材が素晴らしい場所ということで海鮮バーベキューを企画しました。地域によっては、例えば山の幸を活かした企画も立てられます。

 豪華な観光列車も観光資源としては必要ですが、どこでもできるわけではありません。しかし、資金面で難しいからと言ってあきらめる必要はないと思います。大きな金額は出せなくても、知恵は出せるはず。鉄道車両だけでなく、駅舎など活用できるものが多いのが“鉄道の魅力”です。その地域の魅力は何か、どうすればお客様が満足してくれるかを考えれば、素敵な観光列車を走らせることができると思います。

 今回の受賞は「知恵を出すことで、新しい展開が可能になる」と、全国でさまざまな取り組みをしている事業者に、夢を与えられたのではないでしょうか。これからはローカル鉄道と旅行会社が二人三脚で動くことで、新しい価値を生み出すことが必要です。

 ――ありがとうございました。

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ながまれ号と津軽海峡(道南いさりび鉄道提供)

 道南いさりび鉄道(小上一郎社長、北海道函館市)は、北海道新幹線開業と同じ2016年3月26日に開業した第3セクターの鉄道会社。北海道旅客鉄道から江差線の経営を引き継ぎ、木古内―函館(五稜郭―函館はJR線に乗り入れ)を運行している。

 同社は北海道の補助事業を活用し、地域情報発信列車「ながまれ号」を開業当初から運行。潜在的な観光需要を掘り起こし、新幹線の開業効果を高めている。

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