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日本は売上8倍に、掲載数1万軒目指す(ブッキング・ドットコム)

ジェームス・ホワイトモア氏
ジェームス・ホワイトモア氏

 ブッキング・ドットコム・ジャパンはこのほど東京都内で、日本におけるビジネスの事業戦略説明会を開いた。同社のデータによると、2012年から15年の北アジア地区の市場で、日本の売上は8倍以上と最も高い伸長率だった。国別の人気渡航先順位も32位から8位に上昇。また日本における掲載施設数は、昨年の夏時点で6800軒だったが、今年の夏で約30%増え8800軒となった。勢いを増す日本で事業強化を推進し、年内に掲載件数1万軒を目指す。
【平綿 裕一】

 「北アジア地区は面白いトレンドがある」。北アジア地区統括リージョナル・ディレクターのジェームス・ホワイトモア氏は、香港や台湾、韓国などで事業が伸びるにつれ、この国々から同社を介して日本の予約をする人が増えたと説明。この結果、日本への送客が増加している。今年上半期国籍別の訪日客割合は、中国が15%、台湾が12%、韓国が7%、タイが5%でアジア地区が全体の約4割を占める。

 同氏は「今後はアジアからのリピーターが増える」と予想。日本の文化や社会、言語に精通し、ゴールデンルート以外の観光地を訪れる機会が増すとした。これらを踏まえ、「さまざまな地域、施設、そしてニーズに応えられるように営業を強化する」と述べた。

 一方、日本からの渡航先はパリ、ロンドンが人気だったが、現在は国内旅行がそれらを上回る。また、国籍別の訪日客割合で、日本は全体の約30%と1番高い割合。同氏は「日本人が国内旅行にブッキング・ドットコムを利用していることがよく分かる」と解説した。

 日本人利用者が増える一因が、初の試みとなるテレビCMキャンペーンだ。昨年の夏に始め、ブランド認知度向上は開始前から2倍以上となり、継続して上昇傾向をみせる。同氏は「昨年は我われにとって飛躍の年だった」と振り返った。

 さらに、新たなTVCMキャンペーンを製作。テーマは「情熱」。第1弾はフードLover篇で、スポーツLover篇と温泉Lover篇が続く。同氏は「それぞれ個人が情熱を持って旅行している。この情熱を大切にしたいという願いを込めた」と製作の想いを述べた。

 また、同社は事業促進だけでなく客のサポートも充実させている。

 今年1月、カスタマーサービスセンターを東京・大崎に開設した。同オフィスを増床し、コールセンターの職員数も大きく増やした。日本語と英語、中国語、韓国語、タイ語など、多言語でサポート。同氏は「これにより日本語は365日、24時間、サポートできる。国内だけでなく、海外からも日本語で対応が可能だ」と盤石な体制を示した。

アダム・ブラウンステイン氏
アダム・ブラウンステイン氏

 続いて、今年7月に日本地区統括リージョナル・マネージャーに就任した、アダム・ブラウンステイン氏が登壇。

 8月に国内の掲載施設が8800軒を達成。年内に1万軒の掲載数という目標に対し、同氏は「あくまでも通過点。その先にまだまだ伸びる沃野がある」と意気込みを語った。加えてこれからは、「人材がカギとなる」とした。

 同社は海外展開で成長を遂げてきたが、一方で地元地域に軸を据え、掲載施設と連携を密にしている。営業所は東京と大阪、札幌、福岡にある。日本各地に拠点を置き、昨年の11月には沖縄支店を開設した。

 沖縄支店は掲載施設に対して初めに、多大なデータやトレンド、分析結果を理解してもらう活動を実施。掲載施設からは「観光のトレンドやインバウンド、国内旅行者に対する理解が深まった」など多くのフィードバックが集まった。同社は沖縄支店の成功を踏まえ、今後は全国に支店を設置していく。さらに日本事業の成長要因に(1)顧客のニーズに応える(2)掲載施設のニーズに応える(3)日本市場の成長――の3つを挙げ、すべてでバランスが重要だとした。

 日本市場が成長すると、全国の施設の数や品質、種類も充実する。これにより、日本の事業がますます促進され、同社の掲載している施設の数や品質、種類も相対的に増やすことができる。同氏は「ただ掲載施設を増やすだけでなく、施設の種類は顧客志向でありたい。さまざまなデータを収集、分析し、ニーズに応えていく」と語った。

 また、民泊の関心が国内外で非常に高いことも報告した。「民泊もバランス良く考えたい。政府と良好な関係で、法令を遵守してビジネスをしていく」と堅実な姿勢をみせた。最後に、日本の市場がまだ伸びる可能性があることや国内の利用者からの信頼も得ているとこを踏まえて、「日本にはこれからも投資をしていく」と強調した。

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