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14年国内宿泊9.3%減、要因は「家計の制約」など(JTBF)

五木田玲子主任研究員
五木田玲子主任研究員

 日本交通公社(JTBF)は昨年10月23日に「第25回旅行動向シンポジウム」を開いた。2014年度の国内観光宿泊旅行者数は前年同期比9・3%減の1億6003万人回。延べ旅行者数はすべての月で減少した。日本人の旅行市場について報告した観光文化研究部の五木田玲子主任研究員は、旅行の阻害要因として「家計の制約」と「景気の先行き不安」の2点を指摘。14年は消費税が引き上げられたことなどもあり、物価が高騰した。このことが家計の消費支出に影響を与え、旅行者数減少につながる結果となった。

 日本人の国内宿泊観光レクリエーションにおける延べ宿泊者数は、ほぼすべての年齢層で減少しており、とくに20代(同19・1%減)と60代(同18・7%減)の女性の減少が顕著であった。また、海外出国者数は1690万人と13年に続き2年連続の減少となり、出国者数についても延べ宿泊者数同様に20代と60代の女性の減少が顕著であった。

 JTBFが昨年3月に、全国の16―79歳を対象に行った「JTBF旅行実態調査」によると、14年の国内旅行の性年代別に見る同行者別の市場シェアは、10代女性は家族・友人との旅行が多く、20代になるとカップルでの旅行が増加する傾向にある。男性は、10代後半から20代後半にかけての1人旅のシェアが多く、若いうちに1人旅に出かける比率が高いのが特徴として挙げられる。また、女性に比べ年齢が上がるにつれ、夫婦旅行の伸び率が増加してくるのも、1つの特徴である。海外旅行においても、国内とほぼ同様の市場シェアとなっている。

 「旅先で最も楽しみにしていたこと」に関する問いでは、国内旅行は1位が「温泉に入ること(16・9%)」で、次いで「おいしいものを食べること(15・9%)」、「文化的な名所を見ること(12・3%)」という順に。海外旅行は1位が「文化的な名所を見ること(18・6%)」で、次いで「おいしいものを食べること(14・1%)」、「自然景観を見ること(13・7%)」という順になった。昨今旅行の多様化が叫ばれているが、やはり「温泉」「食」「文化・自然景観」といった王道的なものに、人気が集まっている。

 14年の日本人の旅行市場の総括として五木田主任研究員は「国内・海外ともに減少局面にある。阻害要因として、『家計の制約』『景気の先行き不安』が高まっている」と報告した。

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