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秋葉原らしい体験を、爆買い客で免税店一色が課題

吉岡有一郎社長(右)と槇野汐莉旅行事業部部長
吉岡有一郎社長(右)と槇野汐莉旅行事業部部長

変貌する観光地・秋葉原

 東京都・秋葉原は東京の一大観光地でありながら、電気街、オタク街、そして外国人旅行者の「爆買いの街」へと変化を続ける観光地でもある。連日話題となる一方で、買い物の街へのシフトは「爆買い客ばかりの秋葉原は本当に観光地と言えるのか」という課題も浮上させる。秋葉原周辺を報道し、観光業も展開する「Akiba.TV」社長の吉岡有一郎氏と旅行事業部部長の槇野汐莉氏に変貌する秋葉原について聞いた。

【丁田 徹也】

 ――「爆買い」と呼ばれる外国人旅行者の大量購入現象で秋葉原はどのように変わったか。

■槇野:中央通りが免税一色に染まり、表に並ぶ取扱商品が大きく変わりましたね。かつてコスチュームを着た店員がゲームを販売していた店の売り場は、赤ちゃん用品コーナーになっています。ゲームソフトがあった場所におむつが陳列されているのです。サブカルチャー色が強い秋葉原が好きで外国から移住してきた方は「免税店だらけで秋葉原らしくなくなった」と嘆いていました。たしかに、免税店ばかりだと、空港の一角に見えるのかもしれません。

 ――訪日客の影響力は今後も一層大きくなるのでは。

■吉岡:2020年の東京オリンピックが近づくにつれ増加する外国人の半分くらいが秋葉原に来ると考えると、買い物をはじめとして大きな影響力を持つと思いますが、爆買いして通り過ぎるだけの街にはなってほしくありません。

 秋葉原はサブカルチャーの街なので、興味深い文化変遷の歴史を多く持ち合わせています。歴史を活かした観光を強化し、秋葉原という街のファンを増やしていきたいです。

 観光の課題としては、秋葉原を楽しむには外国人にとってはまだまだ情報が足りないことが挙げられます。たとえば、秋葉原に来るのであれば、外国人でもコスプレに憧れを持つと思います。しかし、どこでその服が買えるのか、そもそも街中でコスプレをしても良いのか、という基本情報すら持っていないことが多いです。「Akiba.TV」の旅行部門「Akiba Deep Travel」では、外国人対応の観光ガイドもいますので、秋葉原観光のハードルを下げたいですね。

 ――体験型の観光が増えるなかで、買い物メインの秋葉原はこれからの観光に対応できるのか。

■槇野:秋葉原を「体験する」動きがここ最近で出てきています。秋葉原の大手マンガ販売会社が新たに会社を立ち上げ、「アキバ的」な趣味のカルチャースクールを開いています。漫画の描き方やコスプレの着飾り方、フィギュア写真撮影など、秋葉原らしい体験を提供しています。

■吉岡:我われ秋葉原の事業者もこれからの秋葉原の在り方や街の活性を目的とした会議を行っています。最近では、外国人観光客対応の会議や、SNSでのPRについての検討会を開きました。

 ――秋葉原の新たなブームの兆しは。

■槇野:よく聞かれることですが、今後どうなるかはわかりません。秋葉原は雑多な街で、色々なものがあり、自然と面白いものが残っていく仕組みになっています。だからこそ、私たちは秋葉原に埋まっている多くの面白いものを掘り起こしているのです。

 ――ありがとうございました。

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