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粗さ

2015年4月1日
編集部

 観光パンフレットを開くと、時折、かなり古めかしい写真を目にする。セダン型が多く停まる駐車場や、写り込んだ人たちの服装は80―90年代風に見える。画質は粗く、デジタル時代の写真に囲まれて浮いてしまっている。写真の粗さはホスピタリティの粗さ、と勘繰るうちに、魅力ある観光地とは思えなくなる。

 言葉も時代で粗くなる。

 林業の町の職員と白蝋病の話になった。職業病で、手足に神経障害や白色化を生じる。教科書にも載っていた言葉だが、いまや不快用語。法律上の表記も振動病になっている。本当に不快か、法律にあわせる必要性、などの疑問はさておき、思わぬ劣化だ。粗くなった言葉を載せ続けているパンフも、どこかにありそうだ。

 自分もいつ足をすくわれるか。恐ろしい。

【西田 哲郎】

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