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観光庁、実証実験の成果報告 高校での新科目導入前に

2022年3月10日
編集部:木下 裕斗

2022年3月10日(木) 配信

(左から)林晃治氏と大原弘氏、北村由美氏、大日方樹氏。教員の立場から課題などを語った

 観光庁は2月25日(金)、オンラインでワークショップ~高等学校の生徒が観光コンテンツを企画開発できるカリキュラムを考える~を開いた。来年度から高等学校の商業科で新科目「観光ビジネス」が導入されるのを前に、実証実験に参加した3校が成果を報告した。

田渕エルガ参事官。観光庁が観光の意義などを学ぶ観光教育の普及していることを紹介した

 冒頭、観光庁の国際関係・観光人材政策参事官の田渕エルガ氏は、観光庁が観光立国の実現を目指す一環で、観光の意義や持続可能な社会を学ぶ観光教育の普及に取り組んでいることを紹介。「2021年度には、高校生が観光コンテンツを企画・開発できる観光ビジネスのカリキュラムを考案した」と語った。

 同科目は、観光資源の課題を見つけたうえで、活用への計画を立て、実施することで、課題発見能力や問題解決力を身に着けることを目指す。

 今回は、金沢商業高等学校(石川県金沢市)と岩倉高等学校(東京都台東区)、徳島県立徳島商業高等学校(徳島県徳島市)の3校が参加し、観光コンテンツからツアーを企画し、発表。岩倉高校と徳島商業高校は、計画したツアーを催行した。

 成果報告では、3校が動画で授業のようすを伝えた。このうち、金沢商業高校は人の心に残り、ほかでは味わえないコンテンツを指すコア体験が、地域の魅力となっていることを教えた。具体例として、大内宿(福島県・下郷町)で提供されている地元のネギを箸代わりにしてそばを食べる「ねぎそば」を挙げた。

 徳島商業高校は、生徒が企画した「自然を満喫ツアー」の内容を紹介。都心に住む家族に非日常を味わってもらおうと、椿谷自然体験村(徳島県・美波町)で山に張ったケーブルを滑車で下るジップラインや、窯でピザを焼く体験を盛り込んだ。

 岩倉高校は、上野駅(東京都台東区)が、最先端な建物が多く並ぶ都心にありながらレトロな外観を楽しめることや、不忍池(同)では、春に桜、夏に蓮の花が綺麗であることを案内するツアーのようすを伝えた。

 パネルディスカッションには、同実験で授業を実施した金沢商業高校の北村由美氏と岩倉高校の大日方樹氏、徳島商業高校の大原弘氏の3氏が登壇した。モデレーターはアコモの林晃治氏が務めた。

 林氏は生徒へのアンケートで観光への興味がある人が実証実験開始前から終了後に13%増え、無い生徒は0%になったことから、「観光に興味を持たせることができた」と語った。

 そのうえで、先生の立場から感じた成果について質問。

 大原氏は「生徒は消費者の立場しか知らなかったが、来てもらうことに対する視点に立つことができた」と振り返った。

 今後の課題については、大日方氏が「観光業界との連携方法は分からなかった。これから交流できる企業など探したい」と話した。

 北村氏は過去に観光に関する授業を実施した経験も踏まえ、「観光資源が少ない地域にある学校は、インターネットでほかの地域を調べれば、授業を行うことができる」とアドバイスした。

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「観光庁、実証実験の成果報告 高校での新科目導入前に」への1件のフィードバック

  1. とても良い取り組みですね。私が興味が有るのは、観光地理です。たとえば長崎県の観光は、レンタカーを利用した観光、1日乗車券を利用した路面電車での観光が有ります。坂が多い地区は下りを考えての観光地の回り方です。グラバー園は、丘の上の入り口から入園して、下りながら観光して、天主堂に行き、駅まで下り坂を利用する。観光地図は登り下りが書いていないですね。
    修学旅行に行った後、プライベートの旅行に繋がらない。こんな記事がありました。私も中学の修学旅行は京都・奈良でしたが、50年以上たちますが、それ以後は1度も行っていません。コロナ禍で外国人がいない今、行く計画をたてたいですね。
    日本国中の高校で、地元の観光を考えた計画を作って欲しいですね。後期高齢者にも、足腰が弱くなっても、見て回れる観光地造りを考えて欲しいですね。「ガッカリ観光地」と言われないようにして下さい。

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